工事完成基準で売上計上している個人が法人成りをした場合について

 昨年から確定申告を依頼されているお客様のうち3名の方が年内に法人成りをされます。そのうちの一人が3000万円の請負契約を今年の始めに結んでおり、今月物件を引き渡すことになっています。9月2日に法人成りして、個人事業の時に前金を1000万円貰っており、残りの2000万円を今月末に貰う場合、売上の帰属は個人と新設法人どのようになるのでしょうか。建設業の法人成りの場合、こういう事例は多々あると思われます。しかしながら、私がネット検索したところ、このパターンについて言及している方はみつからず、それならばという事で、弊社ホームページで公開させて頂きます。ちなみに個人事業時代にその工事に係る経費は600万円支出していました。つまり前金で貰った1000万円の売上を法人に計上するか、個人に計上するかで令和2年の所得は400万円違ってくることになります。

 自計化のお客様で、前金で貰った1000万円の売上を最初個人に計上されていたため、大きく所得が上がっていました。しかしながら、お金は貰っているものの、引き渡しが済んでいない事から個人で売上を計上する必要はなく、新設法人が個人を引き継ぎ引き渡しを行ったのなら新設法人で売上を計上すべきかと考えます。専門用語で言えば、1000万円を未成工事受入金、600万円を未成工事支出金で計上し、法人の開始貸借対照表に計上という形になると思います。



下和田税理士事務所

当所は昭和45年に初代税理士 朱雀政市が税務署退任後開業し、半世紀にわたり福岡市中央区長浜で地元福岡の中小企業の皆様と共に歩んできた老舗税理士事務所です。 令和2年に節目の創業50年を無事に迎えることができました。 最新の税務情報等お届け致します^_^長浜事務所にて税理士による税に関する初回無料相談(2時間まで)承り中!!

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