起業後の素朴な疑問について vol4/大原税理士事務所@福岡市
数年前の会社法施行により合同会社という組織形態が生まれ、福岡においても毎月様々な法人が設立されていますがその中で合同会社を選択されている創業者の方々も沢山いらしゃいます。
弊所にも、今は個人事業主だが将来的には法人化を目指しているお客様も複数いらっしゃいます。その中で、法人化するタイミングも重要ですが、どの法人形態を選択するかも一考の価値があります。来年10月に消費税率が10%に引き上げられるため、消費税の課税事業者である個人事業主はそれに合わせて法人化するのも1つの手かと思います。
本日は合同会社と株式会社の違いについて簡単に触れてみたいと思います。ざっくり言うと株式会社と個人事業主の間みたいなのが合同会社というイメージでしょうか。個人事業主を少し大きくしたり、家族経営にぴったりな感じがします。それでも法人は法人ですので、株式会社と同じように法人化による税務面のメリットを享受することは出来ます。
まず法人設立費用が合同会社の方が安くなります。登録免許税が9万円安いだけでなく、定款認証(5万円)も不要ですので、株式会社より合計14万円安く設立でき、公証役場で認証を受ける必要もないため設立に要する時間も短くて済みます。
又合同会社は役員再任の手続きや決算公告が不要のため設立後のランニングコストも抑えることができます。
最後に合同会社の大きなメリットとして利益配分を自由に決められます。株式会社であれば、出資割合により株主へ配当されますが、合同会社であれば社員が受け取る利益の分配割合を定款で自由に定めることができます。出資するお金ではなく、会社に対する貢献度や能力によって決めることもできるため、定款の自由度や柔軟性が高いのが合同会社の魅力です。
一方、合同会社のデメリットとしては、株式会社程の信用は無いという事です。旧商法時代には株式会社しかありませんでしたので、合同会社自体を知らないという人も沢山いらっしゃるかと思います。そういった意味でも、今はまだ株式会社の方が合同会社より信用力は高いといえるでしょう。
0コメント