民泊により生じる所得等は基本「雑所得」となる見解を国税庁が発表いたしました。/大原税理士事務所@福岡市
国税庁はこのほど、「住宅宿泊事業法に規定する住宅宿泊事業(いわゆる「民泊」)により生じる所得の課税関係等について(情報)」を公表した。これは、個人における所得税確定申告における民泊により生じる所得区分や必要経費の具体例などを取りまとめたものです。日本でも急速に普及している民泊サービスに対し、公衆衛生の確保や地域住民等とのトラブル防止、無許可で旅館業を営む違法民泊への対応などから制定された住宅宿泊事業法(民泊新法)が6月15日から施行されている。
国税庁によると、所得区分は、自己が居住する住宅を利用して住宅宿泊事業法に規定する民泊を行うことによる所得は、原則として「雑所得」に区分。民泊は、宿泊者の安全等の確保や一定程度の宿泊サービスの提供が宿泊施設の提供者に義務付けられており、利用者から受領する対価には、部屋の使用料のほか、家具等の賃貸料やクリーニング代、水道光熱費、室内清掃費、日用品費、観光案内等の役務提供の対価などが含まれていると考えられる。
所得税法上、「不動産の貸付けによる所得」は、原則として不動産所得に区分されるが、民泊は、上記の点において、一般的な不動産の貸付け(賃貸)とは異なるといえる。また、民泊に利用できる家屋は、現に人の生活の本拠として使用されている家屋、入居者の募集が行われている家屋、随時その所有者等の居住の用に供されている家屋に限定されており、その宿泊日数も制限されている。
以上のような民泊の性質や事業規模・期間などを踏まえると、住宅宿泊事業法に規定する民泊を行うことにより得る所得は、原則として雑所得に区分されるとの考えです。ただし、不動産賃貸事業者が、一時的な空き部屋を利用して民泊を行った場合に得る所得は、不動産所得に含めても構わず、また、専ら民泊で生計を立てるなど、民泊が所得税法上の事業として行われていることが明らかな場合は、その所得は事業所得に該当するとしている。
今回の課税情報には、そのほか、必要経費の計算例、住宅借入金等特別控除の適用関係や居住用財産の3000万円の特別控除の適用関係、消費税の課税関係などが解説されている。消費税は、民泊において宿泊者から受領する宿泊料は、ホテルや旅館などと同様に課税対象となるが、当課税期間の基準期間の課税売上高が1千万円以下の場合は、当課税期間は原則として免税事業者に該当するので、消費税の申告・納税義務はない。
詳細は国税庁HPへ↓
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