税抜経理と税込経理について
会社を設立して最初の2年間や基準期間1000万円以下である免税期間の経理方式は税込経理が義務付けられています。
その後は、特に届出等も必要なく会社の意思で経理方式を選択出来るのですが、消費税の納税方法で経理方式は選択すべきかと思っています。3年目以降も消費税免税事業者は税込経理、基準期間が5000万円以下で簡易課税を選択している事業者までは税込経理を選択で良いかと思います。
売上が拡大してきて消費税を原則課税で計算している事業者は、税抜経理と税込経理を選択出来るのですが、私は税抜経理を推奨いたします。税抜経理と税込経理どちらを選択しても基本的に利益は変わりません。変わったら大事かと思いますが、固定資産を取得した年は税抜経理の方が消費税相当分だけ利益が少なくなります。頭の中で、考えても理解不能なのですが、そうなります。
耐用年数10年の3300万円の機械を取得した場合を仕訳で示すと、
【税抜経理】
①機械3000万円 預金3300万円
仮払消費税300万円
②減価償却費300万円 機械300万円
【税込経理】
①機械3300万円 預金3300万円
未収消費税300万円 雑収入300万円
②減価償却費330万円 機械330万円
となります。
税抜経理が300万円の赤字に対し、税込経理は30万円の赤字になっています。
この場合、税抜経理が税込経理より270万円利益が少なくなっています。
毎年の減価償却が、税抜経理が300万円なのに対し、税込経理は330万円となっています。
固定資産を取得した年は税抜経理の方が消費税分だけ利益が少なくなりますが、取得した年以降は税込経理が少しずつ費用超過(この設例では30万円)となり、最終的(耐用年数経過後)には同じ結果となります。
この設例でも分かる通り、税抜経理は消費税を考えずに経理するのに対し、税込経理は都度消費税の計算を行い、損益に反映する必要があります。この場合、消費税還付の雑収入300万円が該当します。
税抜経理の難点としては売上規模が小さく見えるという点があります。よく売上10億円の壁というものが中小企業では言われていますが、税抜経理で売上9.8億円で10億円の壁にぶち当たった場合でも、税込経理を選択していれば軽く超えてたという事になります。
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